全米ヨガアライアンスは必要か?
ヨガの資格、ヨガインストラクターの資格で世界的に有名な全米ヨガアライアンス認定があります。 br>
世界では、全米ヨガアライアンス認定の資格登録者は10万人以上います(2020年)。日本では東京地区だけで約1,000名(2021年)の登録者がいます。これは実際に全米ヨガアライアンスに登録している人の数なので、有資格者(登録できるが登録していない人)を含めるともっと多くの全米ヨガアライアンス認定者がいるでしょう。
全米ヨガアライアンス認定の資格は、間違いなく世界で一番人数が多いヨガの資格でしょう。
これだけたくさんの人が全米ヨガアライアンスの資格を取得しているということは、それだけその資格には価値があるのでしょうか?
ヨガインストラクターになるために、全米ヨガアライアンス認定の資格を取得する必要があるのでしょうか?
全米ヨガアライアンス資格取得の必要性
全米ヨガアライアンスの資格を取得する必要があるかどうかを考えるために、全米ヨガアライアンス資格のメリット(良い点)とデメリット(悪い点)を見ていきましょう。
全米ヨガアライアンスメリット
全米ヨガアライアンスの資格取得のメリットは大きく3つあります(下記)。それぞれについて見ていきます。
- 世界的に有名なヨガの資格である
- 全米ヨガアライアンス認定ロゴが使える
- 効率的にヨガの知識や技術を習得できる
全米ヨガアライアンスの資格を取得するメリットの一番目は、数多くあるヨガの資格の中で最も有名であるという点です。
全米ヨガアライアンス以外にも、たくさんのヨガインストラクターの資格があります。しかし、全米ヨガアライアンス認定は世界でその取得者数も一番多く、世界で最も有名なヨガの資格です。したがって、全米ヨガアライアンスの資格を取得することで、ヨガインストラクターとして日本だけでなく世界で活躍することも可能となります。
日本でも全米ヨガアライアンス以外のヨガの資格がありますが、世界ではよく知られておらず、その資格を取得しても世界では通用しないでしょう。全米ヨガアライアンスは世界で通用する唯一のヨガの資格だということができます。
しかし、ヨガを教えるのが日本中心だと考えた場合、このメリットだけでは全米ヨガアライアンスが必要だということにはなりません。全米ヨガアライアンスが必要かどうかは別の観点からも検討すべきです。
全米ヨガアライアンス認定の資格を取得すると、全米ヨガアライアンス認定ロゴであるRYTを自由に使うことができます。例えば、ホームページにRYTのロゴを掲載することができたり、名刺にRYTのロゴを使ったりすることもできます。全米ヨガアライアンスRYTのロゴを宣伝広告に利用できます。
RYTは日本でも商標登録されているので、RYTが使えるのは全米ヨガアライアンスの登録者だけです。
ロゴを使うことにより、非常に分かりやすく、自身が全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクターであることを示すことができます。ロゴというイメージにより、言葉で説明するよりも直接的に生徒のかたへアピールすることができます。
ロゴは分かりやすいですが、一般の方がそのロゴが何なのかが分からない場合は、その利用価値はあまりなくなってしまいます。したがって、ロゴが使えるからと言って全米ヨガアライアンスが必要かと言えば、そう簡単ではありません。
ヨガの知識や技術が習得できるというメリットは、全米ヨガアライアンス自体のメリットではなく、全米ヨガアライアンスの資格を取得する過程におけるものです。
全米ヨガアライアンスの資格を取得するためには、全米ヨガアライアンス認定校(RYS)が開催するヨガインストラクター養成講座を受講し、認定書を獲得しなければなりません。
そして、その全米ヨガアライアンス認定校が開催するヨガインストラクター養成講座は、全米ヨガアライアンスの基準に従った内容になっています。一定の基準に従った内容になっているので、その養成講座を受講し修了することができれば、ヨガインストラクターになるために必要な知識や技術を習得することができます。
一方で、全米ヨガアライアンス認定校でないヨガスクールが開催しているヨガインストラクター養成講座を受講した場合、その講座の内容がヨガインストラクターになるために適切なものかを判断するのが難しいです。したがって全米ヨガアライアンス認定校が行っている養成講座のほうが、全米ヨガアライアンスが間違いないものだと認定しているので、ある程度は安心して受講することができます。
全米ヨガアライアンス認定校が開催するヨガインストラクター養成講座であれば、それ以外の養成講座と比べて信頼でき、安心して受講することができるといえます。全米ヨガアライアンス認定校のヨガインストラクター養成講座を受講することで、ヨガインストラクターとして必要な知識や技術を効率的に、また安心して学ぶことができます。
ただし、全米ヨガアライアンスが規定する基準は、大まかなものなので、全米ヨガアライアンス認定校の講座だからと言って完全に安心はできません。ヨガインストラクターになるためには、全米ヨガアライアンス認定校の中で、それぞれの講座の内容をしっかり確認する必要があります。
全米ヨガアライアンスデメリット
全米ヨガアライアンスの資格を取得するデメリット(悪い点)を見ていきましょう。そのデメリットは大きく3つあります(以下)。
- 継続的に費用が必要となる
- 登録してもサポートがない
- 登録校によって違いが大きい
全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクターになるためには、全米ヨガアライアンスに登録する必要があります。一度登録すれば終わりかと言えばそうではありません。毎年更新していく必要があります。そして更新するときにも費用が必要です。
全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクターRYTの資格を維持するためには、毎年継続的に費用を支払わなければなりません。もし更新しなければ、全米ヨガアライアンスRYTと名乗ることもできませんし、RYTロゴを利用することもできなくなります。
全米ヨガアライアンスは非営利の団体なのですが、私たちから初回の登録料だけでなく、毎年更新料を徴収しています。そうした理由からかもしれませんが、全米ヨガアライアンスに登録できる人でも、あえて登録しないという選択をしている人が多くいます。全米ヨガアライアンスは必ず登録しなければならないものではありません。
全米ヨガアライアンスに登録しても、その後のサポートはほとんどありません。毎年継続して更新料を支払っても全米ヨガアライアンスが登録者に対して提供するサービスはありません。時々Eメールは送られてきますが、すべて英語です。RYTロゴは使えるようになりますが、それだけです。
日本には全米ヨガアライアンス認定校が約200ありますが、登録者数は2,000人ほどです。登録校に対して登録者の数がかなり少ないようです。理由としては全米ヨガアライアンスに登録しても、特にサポートが得られないからでしょう。
全米ヨガアライアンスは、全米ヨガアライアンス認定校になるための基準を規定しています。しかし、その基準は大まかなものなので、全米ヨガアライアンス認定校と言ってもスクールごとに大きな違いがあります。
全米ヨガアライアンス認定校のヨガインストラクター養成講座であれば、ある程度の安心感はありますが、そこで教えられる内容には大きな違いがあります。したがって、全米ヨガアライアンスの資格を取得したからといって、必ずヨガインストラクターとして必要な知識や技術が習得でき、ヨガインストラクターになれるかどうかは分かりません。
結局、全米ヨガアライアンス認定校の中で、どのスクールのヨガインストラクター養成講座を受けるかで、ヨガインストラクターになれるかどうかが決まってきます。
良いヨガインストラクター養成を選べば、ヨガインストラクターになることができ、悪いヨガインストラクター養成を選んでしまうと、ヨガインストラクターにはなれないかもしれません。全米ヨガアライアンス認定校だからといって、安心せず、その内容をしっかり見極めなければなりません。
全米ヨガアライアンスは必要か?まとめ
全米ヨガアライアンスは必要かどうかについて、その資格を取得するメリットとデメリットを中心に検討しました。
全米ヨガアライアンスの資格を取得した後のことを考えると、メリットよりデメリットの方が大きいかもしれません。なぜなら毎年更新料を支払い続けなければならないのに対して、メリットとしてはRYTのロゴを使えるだけだからです。
RYTのロゴにどれだけの価値を見いだすかによって違ってきます。全米ヨガアライアンスRYTのロゴが一般の人にも広く知れ渡っているのであれば、その利用価値は高くなります。しかし現状では、ヨガを長年続けている人や、ヨガインストラクターの業界のみでしか認知されていないのかもしれません。一般の人に対して、RYTのロゴのブランド力はそれほど強くないでしょう。
一方で、全米ヨガアライアンス認定校のヨガインストラクター養成講座を受けることは、ヨガインストラクターになるために最短で効率が良い道だといえます。